JIROです!
オーバーフロー水槽の自作では水漏れが付きもの(?)です。
最近はこなれてきたつもりだったので、『もう水漏れでそんなにヒドイ目に遭うこともあるまい、フハハ』とか思っていましたが、このたび一番ヤバイ新作ができました。
というわけで、今回はこれまで私が起こしてきた『水漏れエピソード』などと交えながらオーバーフロー水槽を自作・設計する時の注意点について紹介していきます。
それではさっそく参りましょう。
台座からの水漏れ
まずはオーバーフロー水槽の自作を始めたての頃にやらかした台座から水漏れを紹介します。
原因は水槽に『台座』を取り付ける時にしっかり防水ができていないと起こります。
症状
この時はレイアウトを終えて、しばらくしてから水槽台の天板がビチャビチャになっていることに気がつきました。
最初は天板がビチャビチャになるのを不可解に思いましたが、出来上がったレイアウトを泣く泣くとっぱらってガラス水槽の上から見たら一目瞭然です。
台座の付け根から水滴が『水槽の裏側』を伝って水槽とマットの間にドンドン吸水されていました。
Tips:1滴1滴が少ないせいなのか、あるいは水の伝う経路ができるまでに時間が掛かるのか、水槽台がビチャビチャになるまでに『タイムラグ』があったのも罠っぽい要素でした。
対応
対策としては台座の裏側もよく見えるよう水槽に何も入れずに『試運転』して、水漏れをしっかりチェックするようにしました。
最初にしっかり防水を確認できれば、その後はほとんど安泰です。
バルブからの水漏れ
次は調節用バルブからの水漏れを紹介します。
非常に希だとは思いますが、部品の不良による水漏れです。
経緯
バルブから水漏れした時は初めての集中ろ過の配管だったこともあり、数日間試行錯誤したのに『自分に非がない無い』パターンでの水漏れだったので絶望したのを憶えています。
しかも、塩ビパーツの中では高価な『バルブ』『ユニオン』などを沢山『まとめて接着』していたので、バルブ1つの不良品で全部パーになるという状況が絶望を加速させました。
対策
部品の不良は不運によるものなので考え出すとキリがありませんが、対策としては高価なパーツは『まとめて接着しない』・『交換可能な仕様にする』ということにしました。
あと自己責任ですが、小規模なアクアリウムだとそんなに水圧も掛からないので、塩ビ管をそんなに強力にする必要ないんじゃない?と思っており、最近は接着せずにパイプを強く差し込むだけにしてる所も多いです。
毛細管現象による伝い漏れ
次は毛細管現象による伝い漏れです。
伝い漏れはオーバーフロー水槽に限ったことではないですが、オーバーフロー水槽ならではのヤバさもあるので紹介します。
通常のアクアリウムの伝い漏れ
よくある伝い漏れの例は、こんな感じで『フタ受け』と『水位』が近かったりすると発生しやすくなります。
ただ通常のアクアリウムであれば、水漏れにより水位が下がれば伝い漏れは止まります。
オーバーフロー水槽の伝い漏れ
オーバーフロー水槽で伝い漏れすると何がヤバイかというと、オーバーフロー水槽は『水位が一定』で下がらないため、サンプ(ろ過水槽)の水が空になるまで漏れ続けるという事です。
しかもオーバーフロー水槽では『セッティングした水位』を簡単に変更できないのもやっかいな要素になります。
濾過槽でも
オーバーフロー水槽ではサンプからも伝い漏れが発生する可能性はあります。
『フタ』はもちろんですが、『ウールボックス』からも伝い漏れを起こすことがあります。
サンプの場合、最初は水位に余裕があったとしても、濾材などの目詰まりで『一時的に水位があがる』こともあるため、数年後に突如伝い漏れを起こすこともあります。
対策
伝い漏れの対策としては、オーバーフロー水槽を自作・設計する際は、いつでも水位に余裕を持つようにすることです。
あと飼育水槽にしろサンプにしろ、自作に『フレーム水槽』を使うと伝い漏れの可能性はほとんどなくなります。
Tips:自慢ではないですが私は『飼育水槽』からも『サンプ』からも、両方ともの伝い漏れの経験をしたことがあります。ちなにみどちらも稼働して1年以上経ってからでした。あと1度伝い漏れし出すと、割と次から簡単に伝い漏れが発生しやすくなるっぽくて、その後同じ水槽で何回も伝い漏れしました。私の場合は水位をイジるのがめんどくさかったので、フタやウールボックスを伝い漏れしない位置にミリ単位で『微調節』して凌いでいました。ただ知らないうちに触って位置がズレると、また伝い漏れして床がビチャビチャになるというエキサイティングなアクアライフを送ることになるのでオススメはしません。実際何回かビチャビチャにしました。
サイフォンによる逆流
次は『給水管』からのサイフォンによる逆流について紹介します。
給水管から逆流するパターンは給水管の先端が水に浸かっている場合に、『ポンプの電源がオフ』の状態になることで起こります。
給水管からの逆流
私の場合は水漏れには至りませんでしたが、試運転中に水がはねるのがイヤで『給水管の先端を水に沈めていた』ことのを忘れて、ポンプの電源をオフにしてしまい、サンプから水があふれるところでした。
途中で気づいたので、『電源をオン』にすることで逆流を止めることができましたが、寝てる時や不在の場合に停電でもあったらえらいこっちゃです。
飼育水槽では『数センチの水量』でも、逆流してサンプに入ればかなり水かさが増すので、給水管の位置には注意したいところです。
???
それでは『最新作』の自分史上一番ヤバい水漏れになった事故を紹介します。
まずは『状況を紹介』するので、そこから一体どういった理由で事故が起こったのかをクイズの気分で予想してもらえれば嬉しいです。
状況
まずこちらをご覧下さい。
少し変則的な給水・排水ですが、これは簡単に言うと『三重管』と『底面フィルター』を合体させてみた排水管です。
給水管は『分岐』しており、その一部が底面フィルターと繋がっていています。
給水管から伸びるエアチューブが水中の底面部分に繋がっているので、下手したら給水管にサイフォンがかかりそうですが、給水管の一部は空気中に出ているのでサイフォンはかからないはずです。
概略図
さらに詳しく紹介すると、排水部分の水の流れのイメージは図にするとこんな感じになっています。
目的としては、水の流れで『底面』からゴミを排水管に『吸い上げていく』ようなイメージで設計しています。
※これを作った詳しい経緯についてはこちらで紹介しています⇒オーバーフロー水槽と底面フィルターを組み合わせたアクアテラリウム用の排水システムを作ってみる
水を張った様子
で、これが実際に水を張った様子です。
そしてこの後、とんでもない逆流をお見舞いされました。
さて、どこからどんな理由で逆流してきたかわかるでしょうか?
シンキングタイムは3秒です。
状況
始まりは試運転中のことでした。
今思い返せば音だったような気がしますが、運転し始めて間もなく何かおかしな事が起こってそうな雰囲気を感じとりました。
そして水槽の水位が下がり始めたことに気付き、またオーバーフロー水槽の『サンプの水位』がドンドン上昇していることに気づきました。
これはあきらかに水槽から水が逆流しています。
そして逆流のスピードは速く、サンプの水位はみるみる上昇しており、既に気づいた段階ですぐにでも逆流を止めないと『サンプから水が溢れそうな状況』に陥っていました。
給水管の逆流?
反射的に思ったのは、これまでも経験してきた給水管からの逆流現象です。
何かしらの『想定外』の事が起こり給水管にサイフォンがかかり逆流してしまったのだと思いました。
給水管から逆流している場合の主な対処方法は2つあり、1つが『ポンプの電源をON』にすること、もう1つは『給水管のバルブを閉じる』ことです。
しかし冷静に考えれば、この時のポンプは『電源ON』の状態だったので給水管からの逆流はありえないはずなのですが、今にもあふれそうな水槽を目の前にしてパニックになった頭はとっさに給水管のバルブを閉じてしまいました。
溢れる水
バルブを閉じた瞬間、逆流は収まるどころか勢いを増して、無情にもサンプから水がドボドボとあふれ出しました。
頭が真っ白になりながらも、近くに転がっていた200Vの電源を水没させないように手で持ち上げながら、あふれ出していく水を見届けることしかできませんでした。
逆流に気づいてから『水があふれるまでの時間』は体感で約3秒くらいの出来事でした。
そして水槽内の水が『全て』吐き出されて、びちゃびちゃになった床を拭きながら冷静になって考えてみたら原因はおのずと分かりました。
排水管によるサイフォン
答えは『排水管』からのサイフォンによる逆流でした。
ただでさえ、『給水スピード<排水スピード』の状況だったわけなので、給水管のバルブを閉じたら逆流の勢いが増すのは当然のことでした。
給水の取り出し径
通常であれば給水管の取り出し口なりで空気が入りこみサイフォンをキャンセルできそうですが、ここでは『給水管を取り出した穴』と『ホースの径』がジャストサイズだったためサイフォンが掛かる条件を満たしてしまいました。
そんなことも知らずに、穴にホースを通した時に『ヒャッフー!穴ぴったりじゃん!』ってちょっとテンション上がっていた自分をぶちのめしてやりたいです。
排水管も細かった
さらに普通のオーバーフロー水槽の設計であれば排水管は『50A』や『65A』などの太い径であることが多いので、条件を満たしても簡単にはサイフォンがかからないと思います。
しかし、ここでは『25Aサイズ』と細めの排水管を使い、さらに中に給水管を通しているので、サイフォンが掛かりやすい状況になっていました。
とはいえ、それでも排水口の大きさは給水管に比べれば広くて抵抗となるものもないので、サイフォンが掛かったときのスピードは給水管からの逆流よりずっと早くて恐ろしいことになります。
水をすべて吸い上げる仕様
さらに、今回は仕様が悪いことに『吸水口が底面付近』のみだったので、水槽内の水を全て吸い上げるまでサイフォンが切れませんでした。
低水位のアクアテラリウム用だったので、水を全部吐き出しても水量は大した事ありませんでしたが、これが『もっと水量のある水槽』でやっていたとしたら本当に恐ろしい大惨事になっていました。
対策
今回の対策は簡単です。
フタの上部に穴をあけておきました。
写真のように細い穴だと水が掛かると膜になって塞いでしまい、またサイフォンが掛かりそうな気配を漂わせてきたので、怖くてこのあとさらに穴を広げておきました。
ただ、この水漏れは私の水漏れ史上一番ヤバかったですが、『重大な欠陥』だった割に『軽傷』ですんだので、むしろ今後のことを考えるとラッキーな事故だったなと思っています。
終わりに
以上、これまで私が起こした水漏れ事故の紹介でした。
これまでの水漏れの歴史を振り返ってみて『防水処理』・『伝い漏れ』・『サイフォンによる逆流』には改めて気をつけて自作したいと私自身思いました。
まぁそれでもきっとこれからも同じような水漏れ事故を起こしていくと思います。
それではよいアクアライフを。
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