
カブトニオイガメはわりと流通量が多く、手に入り易いカメですが、初心者の方は価格面でちょっと手を出しにくいカメかも知れません。
しかし、あまり大きくならず、ブサカワイイなんでも食べる飼いやすいカメなので、初心者の方にもオススメできるカメだと思います。
そんな魅力的なカブトニオイガメの私の飼育方法と環境をご紹介します。
目次
カブトニオイガメとは

ドロガメ科ニオイガメ属。
カメの中では小さめのカメですがニオイガメ属では最大種。
尖った背甲のキールが特徴的なカメです。
キールは幼体で顕著に表れ、英名ではレザーバックマスクタートルと名付けられています。※レザーバック=『カミソリのような背中』
分布
アメリカ 合衆国。北米南部。
生態
緩やかな河川や沼や池に生息。
水棲傾向の高いカメで、1m以上ある深さのある川でも水底を徘徊するように泳ぐ。
危険やストレスで悪臭を放つこともありますが、日常的に臭いわけではありません。
寿命
20年~30年(4-6年で成熟)
大きさ
最大甲長16cm
食性
肉食性の強い雑食
雌雄
オスのほうが尻尾が太く長くなる。
入手方法
国内外で繁殖がさかんに行われているのでペットショップなどで入手が容易です。
現地での制限でワイルドのアダルト個体などの流通は稀になっています。
カブトニオイガメの飼育方法

必要な水槽のサイズ
カブトニオイガメは成長しても甲長15cm前後なので水槽の大きさは60cm~くらいあれば終生飼育できるので、とても飼いやすいカメです。
レイアウト

水棲傾向の強いカメで、アクアリウムかアクアテラリウム(パルダリウム)で飼育できます。
アクアリウムにする場合は、水面付近に何らかの足場があってカメが休めるようなレイアウトにします。
また影になるような場所があると、彼らにとって落ち着ける場所になります。
水深
基本的に水槽程度であれば深くても問題ありません。
浅くてもカメの背甲の2倍~3倍程度の水深はとるようにします。
水草との相性
小さいカメとはいえ、成体を水草水槽などで飼育するのはかなり難易度高いです。
あまり食害はしませんが、水槽内で取り扱うような小さめの植物の場合、カメに触れられる場所だと確実に荒らされてしまいます。
我が家のレイアウト

以前は陸上部分を作ったレイアウトでしたが、ほとんど陸に上がらず、あげく破壊の限りを尽くされたので、私はカメが上陸できない・破壊できない段差を作ったアクアテラリウムで飼育しています。
子ガメであればレイアウトを破壊されにくいのでレイアウトされたアクアテラリウムで楽しむのはアリかと思います。
ろ過・水質

水替えをしっかりすればフィルターは無くても飼育可能です。
しかし、水を汚すと皮膚病にかかりやすいので、水中フィルターや外部フィルターなどのろ過をしたほうが健全です。
※外部フィルターなど、生物ろ過に頼る場合はハイポや浄水器でカルキ抜きした水であることが前提です。
我が家のろ過環境
基本はどこまでも低スペックな環境で飼育している私ですが、水質はなるべくキレイに保つようにしています。
我が家ではオーバーフロー水槽で流動ろ過をしており、週1回10Lの水替えとウールの交換をしています。
紫外線ライトの必要性
カブトニオイガメは紫外線要求度が低くく、紫外線のライトはなくてもほとんど問題がでることはありません。
ただし、カブトニオイガメも幼体であれば紫外線不足でクル病になったりするようなので、健全に育てる為には紫外線ライトがあった方が無難です。
我が家の環境
私も紫外線ライトは設置していません。
ただ、乾燥を兼ねて強制的に日光浴をさせているので、多少は紫外線を浴びています。
日光浴させる場合
暖かくなってきたら10分~30分程度甲羅干ししています。
暑い季節は日陰で短い時間で乾燥させます。
干す場合はカラスの襲撃が怖いので、メダカ用の容器と専用の網が便利だったので使っています。

水替えのタイミングで外に出して水替えが終わると戻してあげるルーティンです。
使用している容器
専用の網
私は2重掛けしています。とても頑丈になります。
水温・ヒーターについて
基本は26度前後の水温で飼育します。
ヒーターはあれば当然安心なのですが、カブトニオイガメはそこそこ寒さに強いので場合によってはヒーターなしでも飼育可能です。(ベビーは危険です)
冬場、無加温で飼育したい人は個体差や環境の差があるので、様子(食欲など)をみながら試してみて下さい。
我が家の環境
我が家の環境はヒーター無しで年間の水温は12℃~30℃くらいです。(夏場はファン)
成熟した甲長10cm~程度の個体ですが、冬の一番寒い時期でもわりと活発です。
カブトニオイガメの餌付け

ワイルド個体でなければ容易に人工餌に餌付きます。
もちろん生き餌はなんでも食べてくれます。
人工餌はカメ専用のものを選べばカルシウムやビタミン、ミネラルなどバランスよく配合されているので安心です。
カブトニオイガメは肥満になりやすいので、与える量は様子をみながら調節してください。
我が家の人工餌
私は水の汚れを抑えるという人工飼料を与えています。
我が家にはスッポンやカブトニオイガメがいますが、カメ水槽による嫌な臭いは感じたことがないので、もしかるすると多少このエサの効果もあるのかもしれません。
エサ自体も嫌な臭いがなく、量も沢山はいっているので個人的にお気に入りです。
お気に入りのエサ
基本はこの人工餌ですが、たまに自家製クリルや小魚、稚ザリなどの生き餌も与えています。
冬場でのエサやり(無加温の場合)
我が家は無加温飼育ですが、カメは冬でも活発で、餌を欲しがるので1日~2日に自家製クリル1匹、もしくは先ほどご紹介したカメの餌を1粒くらい与えています。
我が家であげている自家製クリル⇒簡単クリルの自作!肉食魚やカメの餌に!乾燥エビの作り方です!
カメの混泳
カブトニオイガメは基本単独飼育です。
複数飼育する場合は噛み合っていないか様子を見て、均等に餌が回るようにします。
弱い個体は個別に飼育する必要があります。
エビや魚との混泳

他の生体と混泳する場合ですが、カブトニオイガメは俊敏なハンターではないですが、水槽内ではレイアウトを破壊しながら、鈍くともずっと追いかけまわして高い確率で捕食します。
しかし、壊されないレイアウトで隠れ家があれば、鈍いカブトニオイガメに捕食されることはないようです。
現在我が家では、ヌマエビ、ヤマトヌマエビ、スジエビが同居中です。
(ただし、捕食されても構わない前提ですが。)
カメに壊されないレイアウトを模索した結果 ⇒カメと緑の水槽レイアウト!植物とカメの共存を求めました。
※以前はエビと追っかけっこしていましたが、最近は完全に諦めたのか 、エビをまったく無視しています。エビたちに特別エサはあげていないのですが、肉食性の強いスジエビも生き残っています。様子を見ているとエビたちは餌の残りカスやカメの糞の未消化部分などを食べて生活しているようで、計らずともよい循環になりました。
我が家のカブトニオイガメ飼い方のまとめ

我が家の飼育環境をまとめるとこんな感じです。
- 成体を45cm水槽で飼育
- アクアテラリウムで陸上部分なし(あるけど上がれない)
- 水は標準的なアクアリウムのろ過でOK
- 紫外線ライトなしでもOK(季節により日光浴)
- ヒーターなし
- 餌は何でも食べる
見てもわかる通り、カメの中でもかなり飼育しやすい部類だと思います。私自身、ほとんど手間をかけている印象がありません。
大きくならないのも終生飼育する上で好都合です。
ベビーの可愛さにつられて飼っても後悔しない、個人的には初心者にもオススメできるカメだと思っています。
それではよいアクアライフを。
参考文献
ビバリウムガイドNo.76(エムピージェー)
1ページだけですが、カブトニオイガメの飼育について詳しく記されています。
水棲ガメ~世界の水棲ガメのタイプ別飼育~(誠文堂新光社)
カブトニオイガメや幅広い水棲ガメについての紹介と飼育方法・繁殖方法などが紹介されています。
入門者にはおすすめの1冊です。