JIROです!
今回は一部の木工家から熱い支持を受けるプロクソンのDS-250を買ってみたので、アクリル板や塩ビ板での工作レビューをしていきます。
それでは早速参りましょう。
PROXXON DS250とは
まずこのDS250を簡単に説明すると、研磨シートのついた円盤が回転する工具になります。
よく見る製品で言うと、ベルトサンダーの横にもよくついてるディスクサンダーの単品バージョンです。
Tips:DS-250の円盤の大きさは25cmです。
DS250の特徴
ベルトサンダーのおまけでもついてくるディスクサンダーをわざわざ単品で購入したのは、DS-250は普通のディスクサンダーと比べ精度がとても高いとされているからです。
一般的なディスクサンダーはサンドペーパーに厚みがあるパッドタイプなので、押しあてると変形して平面を均一に削り出すことができません。
しかし、DS-250は平滑で硬質な円盤にサンドペーパーをシールで貼り付けるため、任意の角度でキッチリ削り出す事ができるとされています。
Tips:ちなみにこの特徴を持ったコンシューマ製品は今のところ本品だけのようです。
購入した目的
今回この工具を購入した目的は、アクリルや塩ビ板のカットした断面を楽にキレイしたいと思ったからです。
研磨は手作業だと面倒でサボってしまいがちなのでなんとか楽したいと思いDS-250に手を伸ばしました。
他にも候補となる機材はありましたが、サイズ・騒音・精度などの観点から本製品を選びました。
DS-250で使える番手
DS-250は先ほど紹介した通り少し特殊なサンダーなので、研磨シートは純正品に頼らざるえません。
その純正で用意されている研磨シートの番手は#80・#150・#240の3種類です。
少し使ってみた感じですが塩ビ・アクリルであれば#240でも十分な研削まで出来そうなので、とりあえず#240で作業していきます。
#240
断面の研磨作業
まずは塩ビ板3mm厚のカット断面を研磨してみました。
自分でカットした粗めの断面でも、体感で1秒くらいでバッチリきれいになりました。
一瞬でこれだけキレイになれば期待以上です。
しかし、これで『めでたしめでたし』とはなりませんでした。
問題点
ディスクサンダーは円盤が回転する構造上*、外側と内側では研削能力が大きく異なります。
この問題については最初から分かっていましたが、効果がどの程度ハッキリ現れるが未知数でした。
※同じ1回転であっても、外側と内側では円周が異なるため作業量が変わります。
中央は粗くなる
外側と内側の仕上がりは、こんな感じになります。
中央付近になると研削能力が低下しているのが分かります。
このままだと先ほどのように一瞬でキレイにできる長さは、25cmの半分のさらに中央を省いて8cmくらい?までになりそうです。
外周の右側と左側
また外周の右側と左側でも少し違いがあります。
円盤の回転が反時計回りなので、左側は『下方向』へ力が掛かり、右側は『上方向』に力が掛かります。
左側の下方向に掛かる力はアルミの台で全体が押さえられるので問題ありません。
しかし、右側の上に跳ねる力は、手で押さえるだけになるためか左側ほど研磨が安定しませんでした。
長いものの仕上がり
長いものを普通にやったらこんな感じに仕上がります。
このままだと長い板の研磨をすると左側だけがキレイで中央から右側にかけては粗い仕上がりになりそうです。
改善
DS-250を短い物だけを一瞬で研磨できるマシンとして活用するでも良いですが、なにげに高価なマシンなので、もうちょっと工夫してみました。
押さえつける治具
まずアルミアングルを適当な幅にカットして、右側も上からしっかり押さえやすいようにしました。
また後ろから押さえる力も均等になりやすいよう、アルミアングルを使ってみました。
アングルで押さえた結果
アングルで上から押さえた結果、右側も左側と同じようにキレイになりました。
また研磨の時間を長めにすると中央もそれなりにキレイになりそうです。
中央の研磨を外す治具
次は中央の研磨の弱さを克服するため、高まらせてディスクサンダーの中心を使わないようにする台を作ってみました。
使用できる最大幅が少し減りますが、磨きの作業量の差は多少改善されたっぽく、むしろ中央がキレイに仕上がりやすくなりました。
横方向に力が掛かる
しかし台で高まらせた結果、サンダーに当てた材料が左方向へ動こうとする力が掛かるようになりました。
手で無理矢理押さえこもうとすると、安定感が悪くなるので左側にはストッパーを設置することにしました。
がんばった結果
材料を均一に押さえるアルミアングルと中心を外す高台で長いものの作業を少しやりやすくなりましたが、それでも一撃で全体を均一にキレイに仕上げるというのは中々難しいです。
ただ治具を使っても、押さえ方や力のかけ方で結果が変わるので、もしかすると慣れてきたら治具無しでもキレイに仕上げられるようになるのかもしれません。
角度を付けた削り出し
研磨はほどほどにしておいて、次は角度をつけた研削を試してみます
ちょっと試しに3mm厚の塩ビ板を45度の角度で削り出してみます。
45度の削り出し
こんな感じで割とすぐに削り出せました。
正確な45度の角度が作りたいなんて事案はそうそう無いですが、選択肢が増えることは良いことなのでとりあえず喜んでおきましょう。
ただ、これも長くなると少し時間は掛かりそうです。
サイズの微調整
DS-250はサイズの微調整にも使えそうです。
例えば切り出した板材の両端で幅に誤差がある時の修正などです。
微調整の方法
微調整の方法はスコヤなどで直角を作っておいて、ディスクサンダーではない方に合わせて材料を削っていく感じです。
誤差を調整しつつ、カット面もキレイに出来るのでちょっと便利かもしれません。
Tips:付属の分度器に固定機能はないのでクイッククランプなどで挟んで固定する必要があります。
完全スコヤ
感想
DS-250を使ってみた感想は、必要性は高いとは言えませんが時短しつつ精度も高めることが出来そうなので、塩ビ・アクリル工作でもそこそこ使えそうな気がしてます。
個人的には研磨作業の時短目的で購入しましたが、歪んでしまったカット面などを直角に整えたりサイズの微調整など、本品は精度を高めるために使用する方がマシンの特性にはあってるかもしれません。
接着作業中などに隣にスタンバイさせておけば、ちょっとしたサイズ調整が出来るので便利になりそうです。
その他の感想
ちなみに集塵機を取り付ける穴はあるものの、使っても削りカスが吸われている気がまったくしないので、このあたりは今後工夫していきたいと思いました。
Tips:アクリルでは研磨後に溶けたアクリルが少し角に溜まりやすい印象を受けましたが、そこまで問題にはならないと思います。
終わりに
まだまだ使い始めなので理解が浅いですが、これからドンドン使って価格に見合うだけ働いていただこうと思います。
カワイイ見た目に反して4万円前後するので、もうちょっと安ければと思いますがニッチな製品なので仕方ないのかもしれません。
以上DS-250の塩ビ・アクリル工作レビューでした。
それでは良いDIYライフを。
DS-250
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