JIROです!
今回は『ビバリウム・パルダリウム』などに便利な擬岩の作り方について紹介していきます。
それではさっそく参りましょう。
擬岩のメリット
まず最初に擬岩のメリットについて簡単に紹介しておきます。
擬岩のメリットは軽く作れるため、バックパネルなど『立面への貼り付け』などがし易く、複雑で『立体的な形状』も自由に設計できることがあげられます。
また『水を通さない素材』で大きく土台を作れば、水の流れを立体的にコントロールするなど、自然素材のレイアウトだけでは難しいことも可能になります。
擬岩のデメリット
次にデメリットについても触れておくと、擬岩は自分で作るため『時間』と『労力』がかかり、石の質感など仕上がりが自分次第となることです。
また石に比べ『脆い』ので、場合によっては剥がれたり削れたりして『擬岩の中身が見えてしまう』こともあります。
ただ擬岩は作り方よって強度や仕様を変更できるため、使用条件によって作り方を変えるとある程度対策も可能です。
スタイロフォーム・発泡スチロール
擬岩の元となる素材をいくつか紹介すると、まず多いのが『スタイロフォーム』や『発泡スチロール』です。
他の材料でも作れますが、これらは『軽量』で『加工』しやすく『朽ちにくい』など、飼育ケージ内で使用するには適した素材となっています。
また水を通さないので、水の流れなどをコントロールする基礎にも使えます。
Tips:スタイロフォームはホームセンターなどで畳サイズであれば格安で購入できることがあります。ただし運搬に難があるため、模型用に切り売りされているものの方が扱いやすいです。またスタイロフォームとはデュポン・スタイロ社による商品名で、他にはカネカのカネライトフォームなどの品名でも販売されており、一般名称は押出発泡ポリスチレンとなります。サイズは限られますが類似品がセリアなどの100均でも取り扱いがある場合があります。
スタイロフォーム
形成方法
スタイロフォームなどの擬岩成形は、まず電熱線のスチロールカッターなどを使用して『大まかなサイズ・形』に切り出します。
そこから『普通のカッター』で削ったり、『手』でむしり取ったりして細かく成形していきます。
注意点としては『電熱線でカットした断面』などはスベスベしていて塗膜が乗りにくい状態になっているため、後で塗装する面は金ブラシなどで『表面を荒らす』などしてザラザラ(足付け)にしておいた方が塗膜を作りやすくなります。
スチロールカッター
金ブラシ
発泡ウレタンフォーム
次に擬岩の材料としてよく使われるのが『発泡ウレタンフォーム』です。
発泡ウレタンフォームはスプレーを吹き付けることで、プラスティック発泡体が出てきます。
吹きつけられるので壁一面など『広い面積』を一気に作ったりする時に便利です。
こちらも基本的に水は通さない材料になります。
発泡ウレタンの特徴や注意点
発泡ウレタンフォームの特徴と注意点は吹き付けてから『発泡』するため、最初より2倍〜3倍に膨らむことがあげられます。
そのため、最初からあまり盛り付け過ぎないように少し気をつけます。
また発泡後の表面は『ツルツルで塗膜が乗りにくい』ので、硬化後にカッターで成形したり手でついばんで表面を荒らします。
ちなみに吹き付けた後は多くの素材と密着するという特徴もあります。
発泡ウレタンフォーム
スタイロフォームと発泡ウレタンの合わせ技
レイアウト全体の大まかな形を作る場合は、『スタイロフォーム』などと『発泡ウレタンフォーム』を合わせて使用することも出来ます。
例えば『スタイロフォーム』を『シリコンシーラント』などで水槽に貼り付けてレイアウトの骨格を作ってから、全体に『発泡ウレタンフォーム』を吹き付けるなどです。
もちろん骨格は別のもので形成されることも多いです。
セメントを下塗り
スタイロフォームなどで擬岩の原型を作り終えた後はセメント(モルタルなど)を下塗ります。
セメントは絵具のように塗り広げたいので、使用するセメント製品の推奨より『水気が多い』方が塗りやすくなります。
セメントを塗る時は『硬めの筆』の方がオススメです。
セメントの塗り重ねについて
下塗りのセメントは2~3回程度重ね塗りします。
重ね塗りすることで表面の強度も上がり、また水加減を少なく調整すれば『盛り付け』るように塗ることもできます。
モルタルを塗った後は『ポロポロ剥がれやすい』部分が出る場合もあるので、気になる部分は先にとっておきます。
モルタル
色を付ける
セメントの下塗りができたら色を付けをします。
色つけには『アクリル絵の具』を使用します。
アクリル絵の具は水で溶かせますが、乾燥後は『樹脂』なので高い耐水性を発揮します。
色の付け方
色の付け方はまず石のベースとなる色を先に塗布します。
黒っぽい石を作りたい場合は『黒色をベース』に少し青を混ぜたり、青っぽい石を作りたい場合は『青をベース』に黒を混ぜたりします。
いくつか石を作る場合はベースの色も『濃淡』を用意しておき、ある程度ランダムに塗っていった方が均一になり過ぎないため、石っぽくなりやすいです。
パレット
汚し・ドライブラシ
後は立体感を出すために、『白色*』などで軽く汚したら擬岩の完成です。
汚すときは『筆の毛先』をパサつかせた状態(ドライブラシ)で軽く当てていきます。
ベースの色がある程度乾いたら作業を始めても大丈夫ですが、まだまだ乾いていない時にやると、どんどん色が混ざってしまうので注意します。
※石がオレンジなど明るい色の場合は黒系統の色が良いと思います。
アクリル絵の具について
最後にアクリル絵の具の『種類』について簡単に紹介しておきます。
アクリル絵の具には『通常のアクリルカラー』と『アクリルガッシュ』などの種類があります。
使い方や耐久性などは似ていますが、アクリルカラーは『透明性があり』下地やムラなどが出やすくなります。
一方、アクリルガッシュは『不透明性』でマットに仕上がり発色も良いとされている塗料になります。
擬岩に適しているアクリル絵の具は?
どちらのアクリル絵の具が良いか?というのは単純に言えませんが、擬岩に色つけする場合は『通常のアクリルカラー』の方がムラが出てたり、下地の色とも馴染みやすいので自然な風合いに色つけしやすくなると思います。
初めての場合はとりあえずアクリルカラーから始めてみるのがオススメです。
アクリルカラー12色
筆セット
終わりに
擬岩は『軽量』で『自由』に形成できるので、自然素材だけでは難しいレイアウトの場合にとても役立ちます。
本物と同じ風合いにするのは難しいかもしれませんが、レイアウトして植物などが育ってくればそこまで気にならないと思います
以上、『ビバリウム』などで使える擬岩についての作り方まとめでした。
それではよいビバライフを。
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