
JIROです!
今回は日本のアカハライモリの飼育方法について紹介します。
アカハライモリはかわいい見た目と、毒々しいお腹の模様が人気の生き物です。
それではさっそく参りましょう!
アカハライモリについて

まずアカハライモリの特徴について簡単に紹介します。
アカハライモリは日本固有の両生類で、名前の由来でもある、警告色のお腹の模様が示すように『テトロドトキシン』という、トラフグなどと同じ毒を有しています。
アカハライモリのお腹の模様はバリエーション豊富で、さらに個体によっては赤色が背中にも発現する事などもあり人気の要因の1つとなっています。
アカハライモリの飼育について

アカハライモリの飼育には、水を張れる『飼育ケース』や、水をキレイに保つ為の『フィルター』などの器具が必要です。
アカハライモリは環境を整えれば比較的に飼育が容易な部類で、事故など起きないよう気をつければ20年以上飼育することもできます。
飼育ケースについて

アカハライモリの飼育ケースは様々なものがありますが、アカハライモリを飼育する上で気をつけたいのが、『脱走されない飼育ケース』であることです。
アカハライモリは動作は遅いものの、ガラス面なども登ることができるので、フタなどの脱走対策が必須となります。
サイズ的には20~30cmくらいの小さいケースから終生飼育が可能です。
プラケース

もっとも安価で手軽な飼育ケースはプラケース(虫かご)です。
大小様々なものが揃っており、価格は1000円~3000円くらいで購入できます。
基本的に飼育ケースは大きい方が飼育環境が安定しやすいのでオススメです。
プラケースの特徴

プラケースの特徴はデメリットに傷がつきやすい事が挙げられます。
しかし、イモリの飼育・管理に適した通気性のある開閉しやすいフタが備わっているという大きなメリットもあります。
そしてほとんどの場合、フタにはエアチューブの穴が用意されているので、フタをしっかりしたまま投げ込みフィルターなどを使用出来るため、イモリ飼育には便利なケースとなっています。
プラケース
投げ込みフィルター
水槽

水槽で飼育する場合には、脱走させないためにもフタが必須になります。
ただ水槽に付属しているガラスフタでは隙間が多くて脱走されるので、全面覆えるタイプのフタなどを別途用意する必要があります。
水槽本体は2000円~10000円くらいで購入することができます。
水槽
水槽のフタの注意点

フタをした場合、フィルターを設置するためにはエアチューブや電源コードを引き込むための工夫が必要になります。
フタの調達は自作したり、サイズによっては販売されている場合もあります。
メッシュタイプのフタ
↓フタの自作方法はこちらで紹介しています↓
爬虫類用のケージ
爬虫類用のケージなどでも、イモリの飼育が可能です。
水槽やプラケースなどに比べると高価で、10000円~30000円程の価格帯です。
おすすめポイント

爬虫類用のケージは脱走対策が万全で、『風通し』や『前面ガラスが開閉出来る』など、飼育をより快適にするための工夫がされている製品が多いのが魅力です。
ケージを選ぶポイント

アカハライモリの飼育で爬虫類ケージを選ぶ場合は、『水が張れる』ことやケージ内に電源コード・エアチューブなどを『引き込みやすい』製品がオススメです。
爬虫類ケージ
レイアウト

アカハライモリ(成体)のレイアウトは水棲傾向が強いため『アクアリウム』や『アクアテラリウム』などで飼育することができます。
アクアリウムでの飼育

アクアリウムで飼育する場合は流木や水草などを使い、水面付近でイモリが安心して休める場所があるレイアウトがおすすめです。
アクアテラリウムでの飼育

アクアテラリウムで飼育する場合は、アカハライモリは基本的に水の中で暮らす生き物なので水場の多いレイアウトに向いています。
植物を植える場合は、小さい植物は踏みつけられ枯れてしまうので、ある程度『大きな植物』や小さくても『強健な種』がオススメです。
※レイアウト例の植物:ウィローモス・セキショウ
セキショウ
ウィローモス
↓初心者向けのアクアテラリウムの作り方はこちらで紹介しています↓

レイアウトの注意点

レイアウトする場合の注意点は、アカハライモリが水中で挟まってしまったり、なかなか出られないような空間があると溺死してしまう可能性があります。
複雑なレイアウトを作る場合は、石の隙間などは砂利で埋めるようにして事故が起こらないよう気をつけます。
生体の管理を重視する場合は、レイアウトはなるべく『シンプル』な方オススメです。
照明

アカハライモリを植物と一緒に育てる場合は、植物に必要な光量に応じて器具を用意します。
蛍光灯やLEDであれば水草アクアリウム用の照明器具であれば、ほとんどの場合植物を育てることが可能です。
ゼンスイマルチカラーLED
照明時間の管理

照明時間の管理はプログラムタイマーなどを使用するととても簡単です。
照射時間を自動でコントロールできるため、植物を育成する場合は必須とも言える機器になります。
プログラムタイマー
水質と水温の管理

水質管理はアクアリウムと同様に行います。
水槽の水は1週間に1度くらいのペースで水替えをします。
水替えする際、水道水のカルキは抜いておき、水槽全体の水量の1/3~1/2程度を水替えします。
Tips:イモリの数や水槽の大きさなど、環境によってはフィルターはなくても飼育できる場合もあります。
カルキ抜き
夏場の水温管理について

アカハライモリは高温には強くないので、夏場はクーラーや冷却用のファンを設置するなどして28度くらいまでを目安に水温の上昇を抑えます。
※部屋の湿度が低ければファンだけでも2度~4度程度水温を下げることができます。
冷却ファン
冬場の水温管理について

冬場でも室温が20度くらいであれば、特に気にすること無く通常通り飼育できます。
10度に近づくにつれ動きや食欲が鈍り、10度以下になると陸に上がり冬眠状態に入るため、陸のないアクアリウムでの飼育では注意が必要です。
冬でも安全にいつも通りの飼育をしたい場合は、暖房やヒーターを入れて水温を保つようにします。
ヒーター
イモリの餌

アカハライモリは餌付けしやすく、『冷凍赤虫』や『人工飼料』で飼育できます。
最初は人工飼料の食いつかないこともあるので、その場合は食いつきのよい冷凍赤虫などから慣れさせます。
人工飼料は魚用の餌やウーパールーパー用の餌などが使えます。
ウーパールーパーの餌
餌やりの頻度

餌やりは毎日しっかり与えるより、2~3日など適度に間隔を開けて給餌します。
毎日しっかり餌やりすると、イモリが太りすぎて脂肪肝などの急死の原因になることもあるので注意が必要です。
冬の餌やり
冬場に室温が下がってきて、イモリの活動が鈍ってきたら、食欲に合わせて餌やりの頻度をさげる必要があります。
無加温飼育で冬を迎える場合は、痩せている個体はそのまま食べなくなって死んでしまうこともあるので、秋までにコンディションを整えておきます。
イモリの混泳
アカハライモリは同種での混泳が可能です。
またアカハライモリに危害を加えない魚や両生類とも混泳可能です。
しかし、イモリの口に入ってしまうような小さい生体は食べられてしまう可能性が高いので注意が必要です。
イモリの入手方法

アカハライモリの入手方法はペットショップやインターネットなどで購入することができます。
人気があり実店舗でもよく販売されているので入手は容易です。
アカハライモリ
採取する場合

日本の固有種であるアカハライモリは採取による入手も可能です。
大河川や下流域より、山に近い田んぼの小川や、里山のような自然が残っているキレイな川によく生息しています。
アカハライモリのは日本の広い範囲で分布しているので、休みの日にアカハライモリを探しに出かけてみるのも楽しい時間になると思います。
⇒アカハライモリ分布と移入情報(リンク先:国立環境研究所)
放流はしない

外来生物を放流しないのはもちろんですが、国内の種であるアカハライモリも絶対に放流しないようにしましょう。
国内の種はアカハライモリに限らず、数十万年以上の途方もない月日をかけて地域ごとに育まれてきた遺伝的多様性があります。
どうしても飼育できなくなった場合は、里親を探したり購入した店やアカハライモリの取り扱いのあるショップに相談して引き取り手を見つけてあげてください。
終わりに
アカハライモリの飼育は難しい部類ではありませんが、思わぬ事故や原因不明で突然落ちてしまうこともあります。
あまり気にしなくても飼育できてしまいますが、少し気をかけて飼育してあげるとアカハライモリはとても長生きしてくれるはずです。
それではよいアクアライフを。
参考書籍
有尾類の教科書
さまざまなイモリやサンショウオなどの飼育について書かれています。
アクアライフ2021年8月号
イモリの色彩発現について詳しく書かれています。永久保存版。ご本人様のツイッターはこちら。
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