アカハライモリの飼育方法!日本のイモリの飼い方!

アカハライモリの飼育

JIROです!

今回は日本のアカハライモリの飼育方法について紹介します。

アカハライモリは『かわいい見た目』と、『毒々しいお腹の模様』が人気の生き物です。

それではさっそく参りましょう。

アカハライモリについて

アカハライモリ

まずアカハライモリの特徴について簡単に紹介します。

アカハライモリは日本固有の両生類で、山地の水田や湿地・川などの『淡水を中心に生息』する生き物です。

生活史は、幼生はエラ呼吸で『水中のみ』で育ち、幼体になると『陸上』での生活を始めて、成体になると上陸もしますが、基本的には『水中を中心』とした生活になります。

毒について

アカハライモリのお腹の模様

アカハラという名前の由来でもある『お腹の模様』は毒を持つ警告色で、実際にテトロドトキシンというトラフグなどと同じ毒を持っています。

手で触れたからと言ってすぐに毒をもらうことはありませんが、触った後は『必ず手を洗う』ようにします。

またイモリにとって『人間の体温は熱すぎる』ため、手で直接さわる場合は水で濡らして冷やしておいたり、手袋をして触るようにします。

アカハライモリの飼育について

アカハライモリの飼育には、まず『水を入れる』ことのできる飼育ケースが必要となります。

アカハライモリは『成体』でも8cm〜13cm程度のため、飼育ケースは30cmくらいの小さいサイズから終生飼育が可能です。

またケース内の水をキレイに保つために、『フィルター(ろ過器)』と呼ばれる水の浄化装置も用意するようにします。

アカハライモリは環境を整えれば比較的に飼育が容易な部類で、事故など起きないよう気をつければ20年以上飼育することもできます。

飼育ケースについて

アカハライモリの飼育ケース・水槽などについて

アカハライモリの飼育ケースは様々なものがありますが、選ぶ時に気をつけたいのが『脱走されないケース』であることです。

アカハライモリは動作は遅いものの、『ガラス面なども登る』ことができるので、フタなどの脱走対策が必須となります。

ここではアカハライモリを飼育する場合の『おすすめケース』などについて、いくつかの例を紹介していきます。

プラケース

まず安価で手軽な飼育ケースとしてオススメなのがプラケース(虫かご)です。

開閉できるフタがついているプラケースは『脱走対策』や『給餌のしやすさ』などが備わっている上に、価格は『1000円~3000円』くらいで購入することができます。

ただし、プラ製なので『ケースが傷つきやすい』といったデメリットもあります。

フィルターを設置しやすい

他にプラケースのメリットとしては、エアチューブを通せる穴*が用意されていることも挙げられます。

※穴があるかは実際に購入する製品を確認してください。

エアチューブ用の穴があると、『エアーポンプ』を用いた『投げ込み式フィルター』などの浄水装置を簡単に設置することが出来るようになります。

ちなみにプラケースのサイズ感は『大サイズ』とされているものが、水槽などで言うところの『小〜中サイズ程度』となるため、プラケースを選ぶ際は『大きめ表記のタイプ』のものがオススメです。

プラケース

投げ込みフィルター

エアーポンプ

爬虫類用のケージ

次にイモリ飼育でのオススメなのが『機能的』で飼育しやすい爬虫類用のケージです。

プラケースに比べると『高価』ですが、プラケース以上に『便利』でガラス製の傷つきにくいものが多いため、見た目をキレイに維持管理したい人にオススメです。

爬虫類ケージの特徴

爬虫類ケージ用の特徴は、『脱走対策が万全』なのはもちろんのこと、『風通し』や前面にも『』がついていたり『』がかけられたりなど、製品にもよりますが様々な機能が詰め込まれています。

電源も引き込める

また爬虫類ケージでは電源コードも引き込めるようになっている製品が多いため、水中ポンプを用いた『電源を必要とするフィルター』もケース内に簡単に設置することができます。

水中ポンプのフィルターを使用する場合は、爬虫類用ケージは水深が浅くなりやすいので『横置きできるコーナーフィルター』などが使いやすいくなります

コーナーフィルター

選ぶ時の注意点

爬虫類ケージを選ぶ時の注意点は『水を入れられるケージ』であることです。

爬虫類ケージと言っても木製など、水を張ることを想定していないケースも稀にあります。

またケージごとに様々な仕様があるため、『電源の引き込み』や『水深』など気になる点はそれぞれの製品で確認するようにしておきましょう。

爬虫類ケージ

水槽

一般的な水槽でもアカハライモリは飼育できますが、脱走させないためのフタを別途で用意する必要が出てきます。

水槽に付属しているフタは基本的に『隙間』が多く脱走されてしまうため、イモリ飼育で使用するには『全面を覆うフタ』を用意するなど手間がかかります。

また用意するフタには脱走する隙間が無いことと同時に、フィルター類の『チューブ』や『電源コード』を引き込むための工夫も必要になります。

大きなフレーム水槽のように『深いフチの返し』があれば、フタをしなくても脱走される可能性が低くなりますが、脱走した場合は死んでしまうことも多いため、なるべくフタを用意し万全を期すことをオススメします。

メッシュタイプのフタ

レイアウト

次はアカハライモリ飼育のケース内レイアウトについて紹介します。

アカハライモリは『アクアテラリウム』などのレイアウトスタイルで飼育することができます。

アクアテラリウムとは『水中』と『陸上』を用意したレイアウトスタイルのことです。

レイアウトは『砂利』などを敷いて『植物』や『流木・石』などを使うと、自然な雰囲気でイモリを飼育を楽しめます。

アクアテラリウムでの飼育

アカハライモリは多くの時間を水中で暮らすので水場の多いレイアウトにします。

水場の水深は少なくともイモリの『全身が浸かる』程度には用意します。

陸地には『大きめの石』や『流木』などを用いると作りやすいです。

水槽内で植物を育てる場合は、小さい植物だとイモリに踏まれて枯れてしまうので、ある程度『大きいもの』や『強健な種』がオススメです。

※レイアウト例の植物:ウィローモス・セキショウ

セキショウ

ウィローモス

レイアウトの注意点

レイアウトする場合の注意点は、アカハライモリが水中で挟まってしまったり、なかなか出られないような空間があると溺死してしまう可能性があります。

複雑なレイアウトを作る場合は、石の隙間などは砂利で埋めるようにして事故が起こらないよう気をつけます。

生体の管理を重視する場合は、レイアウトはなるべく『シンプル』な方オススメです。

↓アクアテラリウムについてはこちらでも紹介しています↓

水質と水温の管理

アカハライモリの飼育における水質管理は『魚の飼育』するのと同じように行えます。

まず水槽に使用する水はいつでも全て『カルキ抜き』をします。

水道から出てくる水には基本的に『カルキ(塩素)』が含まれており、人間にとっては無害であっても水の中に暮らす生き物*にとっては『有害』になります。

※特にエラ呼吸の生き物など

アカハライモリは幼体から『肺呼吸』と『皮膚呼吸』になるため、エラ呼吸の生き物ほど塩素(カルキ)の影響は受けませんが、水質を保つために欠かせいないバクテリアなどは『甚大なダメージを受ける』ので、水道水のカルキは必ず抜くようにします。

カルキ抜き

水換え

飼育ケース内の水は『定期的』に水換えを行います。

水槽内には時間と共に自然とバクテリアが発生し、このバクテリアが機能していると糞などから発生する『有害なアンモニア・亜硝酸塩』などを『ある程度無害な状態(硝酸塩)』にまで分解してくれます。

しかし、ほとんど無害な『硝酸塩』もたくさん溜まると毒になるため、定期的な水換えで取り除くようにします。

アカハライモリにだけ関して言えば硝酸塩の影響は少ないですが、飼育ケース内の衛生環境を良く維持するためにも、水換えは基本的に行うようにします。

水換えのペース

水換えのペースは1〜2週間に1度くらいの頻度で行います。

ただし、換える水の量が多すぎるとバクテリアや生き物への負担が大きくなるので、一度に換える水の量は水槽の『全体の水量の1/3〜1/2程度』までにしておきます。

生き物の飼育数などによってたくさん水換えが必要な場合は、水換えの『頻度を上げる』ことで対応するようにします。

夏場の水温管理

水質管理』の一環として水温の調整もあります。

アカハライモリは幅広い気温・水温に対応できるイモリですが、高温には強くないので夏場でも『28度くらい』までを目安に水温の上昇を抑えます。

水温を下げる方法は室内の温度を『エアコン』で管理したり、電気代を安くするなら水槽用の『冷却ファン』などを設置することである程度水温を下げることができます。

冷却ファン

冬場の水温管理

寒い季節の場合、室温が『20度』くらいあれば特に気にすること無く通常通り飼育できます。

ただしアカハライモリは10度に近づくにつれて食欲が鈍り、大体10度以下になると陸に上がり『冬眠状態』に入ります。

そのため冬の時期に室内が10度近くなるような環境の場合は『痩せている個体』や『水槽の環境*』によっては危険を伴う季節とも言えます。

※アクアリウムなどの陸がない状況や冬眠に適した環境がない場合はイモリへの負担が大きくなります。

安全にいつも通りの飼育をしたい場合は、『暖房』や『水槽用ヒーター』などを入れて水温を保つようにしてあげましょう。

ヒーター

アカハライモリの給餌

アカハライモリの給餌は『人工飼料』や『冷凍赤虫』などで行えます。

また基本的に肉食で選り好みも少なく、『口に入るサイズの生き物』であれば何でも食い付きます

最初は人工飼料に餌付きにくいこともあるので、その場合は食いつきのよい『冷凍赤虫』などから慣れさせます。

人工飼料は『魚用の餌』や『ウーパールーパー用の餌』などが使えます。

ウーパールーパーの餌

給餌の頻度や量について

給餌の頻度エサの量は餌やりは毎日しっかり与えるより、1~2日など適度に間隔を開けて給餌します。

成長期や1回のエサやりの量が少ない場合はエサを毎日与えても良いですが、イモリが太りすぎると脂肪肝などの『急死の原因』になることもあるので注意が必要です。

冬の餌やり

冬場などは気温が下がると共にイモリの食欲も徐々に減退していきます。

イモリの活動が鈍ってきたら、エサやりの『頻度』や『』は食欲に合わせて下げるようにします。

無加温飼育で冬を迎える場合、痩せている個体などは死んでしまうこともあるので、秋までにある程度太らせるようコンディションを整えておきます。

イモリの混泳

アカハライモリは温和なので『同種』での複数飼育が可能です。

複数飼育してもイモリ同士で争うことはほとんどありませんが、エサやりの時は匂いに興奮して間違って他のイモリの手に噛み付いてデスロールをしてしまうこともあります。

アカハライモリは再生能力が非常に高いので、万一腕を噛み千切られたとしても元に戻りますが、エサやりの時は事故の無いように気をつけます。

その他の生き物との混泳

アカハライモリは他の生き物との混泳も『ある程度可能』です。

ただし、イモリの口に入ってしまうような『小さい生体』は食べられてしまう可能性が高いので注意します。

イモリの入手方法

最後にアカハライモリの入手方法などについて紹介します。

アカハライモリは人気があるため、水棲生物の取り扱いのある『実店舗のペットショップ』でよく販売されています。

またインターネット上でも『様々なサイト』でも取り扱いがあるため入手は簡単です。

アカハライモリ

採取する場合

国内の種であるアカハライモリは採取による入手も可能です。

アカハライモリは大河川や下流域より、『山に近い田んぼの小川』や里山のような自然が残っている『キレイな小川』によく生息しています。

アカハライモリのは日本の広い範囲で分布しているので、休みの日にアカハライモリを探しに出かけてみるのも楽しい時間になると思います。

⇒アカハライモリ分布と移入情報(リンク先:国立環境研究所)

放流はしない

外来生物を放流しないのはもちろんですが、国内の種であるアカハライモリも絶対に放流しないようにしましょう。

国内の種はアカハライモリに限らず、数十万年以上の途方もない月日をかけて地域ごとに育まれてきた遺伝的多様性があります

どうしても飼育できなくなった場合は、里親を探したり購入した店やアカハライモリの取り扱いのあるショップに相談して引き取り手を見つけてあげてください。

終わりに

アカハライモリの飼育は難しい部類ではありませんが、思わぬ事故や原因不明で突然落ちてしまうこともあります。

あまり気にしなくても飼育できてしまいますが、少し気をかけて飼育してあげるとアカハライモリはとても長生きしてくれるはずです。

それではよいアクアライフを。

参考書籍

有尾類の教科書

さまざまなイモリやサンショウオなどの飼育について書かれています。

アクアライフ2021年8月号

イモリの色彩発現について詳しく書かれています。永久保存版。ご本人様のツイッターはこちら

参考URL⇒https://www.milive.jp/live/2016sobun/seibutsu202/

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