JIROです!
今回は以前製作したトリマーテーブル用のクロスカットスレッド的な治具を作ってみたので紹介していきます。
それではさっそく参りましょう。
トリマーテーブルの紹介
まず今回の治具を使用するトリマーテーブルのTスロットは『こんな感じ』となっています。
トリマーテーブルのTスロットでよくあるパターンは『マイタースロットに横に1本』と、あとは『ガイド用に縦に2本』だと思いますが、このトリマーテーブルではTスロットを2本横に走らせたパターンとなっています。
製作した治具の概要
で、完成した治具のプレーンな状態を紹介するとこんな感じとなっています。
動きとしては『テーブルソーでよくある治具』のクロスカットスレッドと同じように、Tスロットに設置して上下に動かすことで作業するようなものです。
材料について
材料については、研削ビットは高さの有効範囲が少ないためスライドする板の部分を『なるべく薄くしたい & スロットレールが欲しい』こともあり、ここでは『アルミのフラットレール』を何枚か並べてを使っています。
また両側のフェンスなど、その他のパーツも基本はアルミフレームで適当に組み立てています。
ビットの高さ調節
ちなみにスライドする板同士はビットの高さ調節が治具を載せたままの状態でもできるよう『隙間』を作って組み立てています。
アタッチメント
この治具には作業に応じて『クランプ』や『フェンス』など簡単に着脱できる色々なオプションを用意してあるので少し紹介しておきます。
また治具本体が動かないように治具自体をテーブルに固定できるクランプなども用意しています。
通常のクランプ
まず『アルミフレームのスロット』には市販のミニクランプが取り付けられます。
クランプはスロットに仕込んである『スライダーナット』に上から寸切りボルトを挿すだけなのですぐに取り外し可能です。
ただし、ここでは市販されていたクランプの内容から『寸切りボルト』と『ノブ』の部分をスロットレールに合わせてM5サイズに交換しています。
M6ボルトクランプ
自作クランプ
クランプはフェンス側から固定できるタイプも自作しておきました。
作り方は『適当なブラケット』や『ネジ』、『ゴム足』などを組み合わせてるだけです。
このクランプはフェンス側に仕込んだ『スライダーナット』でフェンスの好きな位置にクランプを設置できて、簡単に取り外しすることもできます。
位置調節ブロック
また、よくある材料の位置をフェンスに『マーキング』できるストッパーブロックも用意してあります。
ガイドフェンスとクランプ
他には材料の大きさに合わせられる移動可能な追加用フェンスも用意してあります。
追加フェンスはスロットに仕込んである『スライダーナット』と『蝶ネジ』で固定して、写真のように材料を挟み込むようにフェンスを設置できます。
もちろんこのフェンスにも先ほどの『ネジ式のクランプ』や『ストッパーブロック』は設置することができます。
クランプ用バー
さらにフェンスとは別軸に取り付けられるバーも用意しておきました。
このバーは普通のクランプなどと組み合わせたりすることで変則的な固定をできるようになります。
治具用のクランプ
治具本体をトリマーテーブルに固定する場合には『端っこのネジ*』を回します。
ネジを回すと『ゴムを付けた木のブロック』が引き上げられてテーブルをクランプするような仕組みとなっています。
※アルミフレームの中にはネジ穴を作っています。アルミフレームへのタップ立て(ネジ穴加工)についてはこちらで紹介しています→アルミフレーム端面(カット断面)にネジ穴を作るタップ立て加工!
バネ
またネジを緩めた時に速やかにブロックが下がるよう『バネ』をいれています。
なので少しでも緩めればブロックがテーブルに引っかかることなく、治具を前後にスライドさせることができます。
使い道
トリマーテーブルでこの手の治具を見かけないのは恐らく一般的に必要性がないからだと思うので、最後にめっちゃどうでもいいのですが、参考までに私の中での使い道について少し紹介しておきます。
スリット入れ
まずは『塩ビ板・アクリル板』などへのスリット入れです。
以前はプロクソンのミニテーブルルーターなどを使っていましたが、その代わりとして使えればと思っています。
この作業はトリマーテーブルの通常フェンスでも可能ですが、この治具を使うと材料を横にずらせばスリットを入れることが出来るため、『フェンスを移動・調整する手間』や『フェンスによる横幅の制限』が無くなるため便利に作業が行えます。
あと『材料自体が固定』されているので、塩ビ板の保護シートをとった状態で作業してもスリ傷がつきにくくなるなどのメリットもあります。
↓スリット入れについての詳細はこちら↓
切り抜き
また同じような理由で切り抜き作業も効率化できるのではないかと思っています。
特に四角く切り抜く場合などは一度スリットを入れるように動かして、クランプを外せばフェンスを利用しながら『別方向へ連続して材料を動かす*』こともできるので、さらなる作業の効率化が図れそうだと考えています。
※別方向へ動かすときは治具がスライドしないよう本体に固定します。
↓テーブルルーターで切り抜く方法はこちら↓
塩ビ板などのカッターとして
あと樹脂用のビットを使えば塩ビ板の直線カットに使っても断面が結構キレイなので、普通に『樹脂板用のカッター』としての役割も期待しています。
治具のフェンスは進行方向に対してできる限り『90°』に調整してあるので、通常のトリマーテーブル用フェンスと合わせて使えば、私のDIYの範囲であれば大抵のカットには対応できるようになると思います。
また『直線カット』と『スリット入れ』・『切り抜き』などの作業が同じ工具で出来れば準備時間を省けて時間短縮効果もありそうです。
あと、アクリルをキレイに仕上げられるビットなどを使えば、カット断面の『研磨』を兼ねた『微調節』などにも使えるかもしれないとも思っています。
終わりに
今回の治具はチャレンジ的に作ってみただけなので、役に立つかはわからない部分が多いのですが、とりあえず前に作った『塩ビボックス』で底の一部分だけをくり抜きたい案件があったので使ってみた結果、ほぼ思い通り作業することが出来て早速めちゃくちゃ役に立ちました。
まぁこれはイレギュラーな使い方なので参考にはなりませんが、今持っている丸ノコでは対応できない『特殊なカット』にも新たに対応できるようになったということでひとまず良かったです。
これでようやくトリマーテーブル制作開始時の『初期構想の完成系』までたどり着けました。
ここまで来るのまじ長かった。。
しかし、まだまだ治具は実践不足で本当に役に立つかはわからないので、実際に使いながら今後も必要なアップデートを密かに施していきたいと思っています。
以上、トリマーテーブルでのクロスカットスレッド的な治具の紹介でした。
それではよいDIYライフを。
コメント