
JIROです!
今回は幼魚のニゴイの様な可愛さを保ちつつ、より美しいズナガニゴイの飼育について紹介します。
それではさっそく参りましょう!
ズナガニゴイとは

まずはズナガニゴイの特徴などについて簡単に紹介します。
ズナガニゴイはコイ科カマツカ亜科ニゴイ属で、系統的にはニゴイよりも原始的な位置にある魚とされています。
体型はニゴイに似ますが、薄い金色をベースにに小さな黒い斑点が体全体に入り、ニゴイに比べ体が大きくならないのが特徴です。
生態

ズナガニゴイは流れの緩やかな場所に生息し、川の中流から下流域などに分布しています。
普段は底層付近を泳ぎ、カマツカのように砂に潜ることもあります。
産卵は5月から6月に行われ、メスが発達した臀鰭で砂を掻いて産卵します。
分布域

ズナガニゴイの分布は近畿地方以西の本州で、九州や四国には自然分布していません。
また国外では朝鮮半島、中国に分布しています。
分布図の参考元:山と溪谷社/日本の淡水魚(2019.10.20)/川瀬成吾
参考書籍
体長
成魚で最大20cm程度になります。
最大60cmにもなるニゴイと比べると小型のニゴイです。
食性
食性は雑食で主にカゲロウなどの水生昆虫を摂餌します。
雌雄の判別
雌雄の判別はオスは成熟すると体全体に細かい追星があらわれ、メスのほうが臀鰭が長くなる事などで見分けることが出来ます。
ズナガニゴイの入手方法

ズナガニゴイの入手方法は店舗で販売されているところをあまり見かけないのでネット通販か、日本の淡水魚なので採取にて入手します。
ガサガサで採取する場合
特に希少な魚というわけではありませんが、ガサガサすれば簡単に採れる魚でもないので、採取する場合はしっかりと調べて、現地でも根気強く採取に励む覚悟が必要です。
個人的な経験では、カマツカやシマドジョウ系を狙うように、砂を掬いながら採取活動している時に希に採れることがありました。
簡単なズナガニゴイとニゴイの判別方法

ズナガニゴイを狙っている時に少し紛らわしいのがニゴイの幼魚です。
幼魚でもニゴイとズナガニゴイは比べれば全然違うのですが、まだ実物を見たことがない場合は迷う事もあります。
その場合の簡単な判別方法としては、尾びれにまで小さな黒い点が入っていればズナガニゴイです。
水槽のサイズ

ズナガニゴイ飼育に必要となる水槽サイズは、45~60cm水槽くらいであれば十分に終生飼育が可能です。
水槽
レイアウト

ズナガニゴイのレイアウトは、砂に潜ったりついばんだりする習性があるので、底床は粗めの砂利より細かめの砂利などがオススメです。
臆病な魚なので、隠れ家になるような場所を作るなど、安心できる環境を目指してレイアウトします。
水草でレイアウトしたい場合は、活着するタイプの水草だと荒らされる心配もなく、隠れ家にもなるのでオススメです。
田砂
水質

水質管理は、一般的なアクアリウム同様に『カルキを抜いた水』とフィルターを使用して生物ろ過を効かせておきます。
またエアレーションなどで十分に酸素を水槽内に供給しておきます。
大量の水替えや水質の急な変化で死んでしまうことがあるので、一回の水替えは1/3程度にしておきます。
水温
水温の管理は室内であれば、基本的に冬でもヒーターなしで飼育が可能です。
夏場は水槽用のファンなどで水温が上がりすぎないように気を付けて、年間10℃~26℃程度を目安に飼育します。
水槽用ファン
エサ・餌付け

ズナガニゴイの餌は、一般的な魚の人工飼料や冷凍赤虫などが使えます。
餌付けは成魚で捕獲した個体だと環境になじめず拒食することがあります。
臆病なのでなるべく安心できる環境を用意して、赤虫など嗜好性の高いエサなどで徐々に環境に慣れさせていきます。
人工飼料について
ズナガニゴイの人工飼料は浮くタイプのエサより、砂利をついばんでエサを採る方が得意なので、沈下するタイプのものがオススメです。
エサ
ズナガニゴイの混泳について

混泳については、ズナガニゴイは他の魚に危害を加えることがほとんど無いので容易です。
また群れさせていた方が安心してエサなども食べやすくなるため、同種や縄張り意識の少ない魚などと混泳させておくのがオススメです。
ただし、雑食性なので小さなエビなど口に入るサイズのものは食べられてしまう可能性があります。
お約束!混泳とDIYは自己責任でお願いします。
自然の中のズナガニゴイについて
ズナガニゴイの生態について、もっと詳しく知りたい場合は東海出版の『淡水魚研究入門』がオススメです。
本書はさまざまな淡水魚を学生が研究したレポート集で、この本には今回紹介したズナガニゴイの産卵を中心に10P程レポートが掲載されています。
他にも様々な日本の淡水魚についての研究があるので楽しめます。
淡水魚研究入門
ズナガニゴイの飼育まとめ

ズナガニゴイはペットショップでよく出回るような人気の魚種ではないですが、見た目も可愛くて混泳にも向いているため、個人的にとてもオススメの日淡魚です。
少し臆病で体も強健な種とは言えませんが、慣れてくればガツガツとエサを食べて一般的な日淡魚同様に飼育できます。
以上、ズナガニゴイの飼育紹介でした。
それではよいアクアライフを。
コメント