
ニゴイの幼魚の様な可愛さを保ちつつ、より美しいズナガニゴイ。
大きさも水槽で飼育しやすいサイズまでにしか成長せず、個人的にとても好きな日淡魚です。
それではズナガニゴイの飼育方法をご紹介します!
ズナガニゴイとは

コイ科カマツカ亜科ニゴイ属。
体系はニゴイに似るが、ニゴイに比べ体が大きくならない。
系統的にはニゴイよりも原始的な位置にある魚とされる。
生態
産卵は5月から6月に行われ、オイカワやカワムツとは違いメスが発達した臀鰭で砂を掻いて産卵する。
流れの緩やかな場所に生息し、川の中流から下流域に分布。
底層付近を泳ぎ、カマツカのように砂に潜ることがある。
分布域

近畿地方以西の本州で九州や四国には自然分布しない。
国外では朝鮮半島、中国に分布。
※分布参照 山と渓谷社 日本の淡水魚 より
体長
14cm~20cm程度。
最大60cmにもなるニゴイと比べると小型のニゴイ。
食性
カゲロウなどの水生昆虫を主とした雑食。
雌雄
オスは成熟すると婚姻色と追星があらわれる。
メスのほうがオスに比べ臀鰭が長くなる。
ズナガニゴイの入手方法
ズナガニゴイは店舗で販売されているところをあまり見かけないのでネット通販か、日本の淡水魚なので採取にて入手します。
ガサガサで採取する場合
希少な魚というわけではありませんが、ガサガサすればホイホイ採れる魚でもないので、採取する場合はしっかりと調べて、現地でも根気強く採取に励む覚悟が必要です。
個人的な経験では砂を掬うように採取活動している時に稀に採れることがありました。
簡単なズナガニゴイとニゴイの判別方法

幼魚でもニゴイとズナガニゴイは比べれば全然違うのですが、まだ実物を見たことがない場合は迷う事もあります。
簡単な判別方法は尾びれにまで小さな黒い点が入っていればズナガニゴイです。
ズナガニゴイの飼い方
水槽のサイズ
15cm~20cmくらいまでの魚なので、45cm水槽くらいでも終生飼育可能です。
レイアウト

ズナガニゴイは砂に潜る習性があるので、底床は粗い砂利より砂など細かいものの方がベターです。
ただ、細かめの砂利でも基本的に問題なく飼育できるのであまり気にする必要はありません。
水草はウィローモスなど活着後であれば荒らされることもなくレイアウトに使用できます。
水質

ズナガニゴイは中流域のある程度キレイな川にいる魚です。
一般的な日本の淡水魚のようにエアレーションをして、ろ過器をつけて適度の水替え(カルキ抜き済)をします。
水質の悪化に強い種ではないですが、水質管理は日本の淡水魚の経験者であれば容易です。
水温
無加温での飼育が可能です。
私の飼育環境では10℃~28℃くらいまでで飼育しています。
エサ・餌付け
成魚になってから捕獲した個体だと環境になじめず拒食することがあります。
幼魚であれば餌付けは赤虫だと容易で、人工餌にも餌付きます。
臆病で慣れないうちはエサを他の魚に取られがちなので、エサが回っているか確認しながら給餌します。
我が家の人口餌
我が家で与えている人口餌です。
飼育している水槽ではサイズがまちまちなので両方与えていますが、どちらもよく食べます。
稚魚用のエサ
成魚用のエサ
ズナガニゴイの混泳について
ズナガニゴイが危害を加えることはほとんど無いので混泳に向いています。
個人的には少ないより群れさせていたほうが安心してエサなども食べてくれるような気がしています。
我が家の混泳事情

私が実際に混泳させたことのある魚は、カワヒガイ、カマツカ、イトモロコ、ムギツク、オヤニラミ(小)、タイリクバラタナゴ、ホトケドジョウなどです。
基本的にズナガニゴイにちょっかいを出すような魚でなければ混泳は可能です。
※混泳に絶対はありません。混泳とDIYは自己責任でお願いします。
ズナガニゴイの飼育まとめ

- 入手は採取かネット販売
- 水質管理はアクアリウム経験者であれば容易な部類
- エサ食いには多少難がある事もある。注意が必要。
- 混泳はしやすい
ペットショップでよく出回るような人気の魚種ではないですが、隠れファンが多い(私調べ)日本の淡水魚で、とてもかわいくて混泳にも向いている魚なのでオススメです。
それではよいアクアライフを!
参考文献
山と溪谷社:日本の淡水魚(山溪ハンディ図鑑15)
2019年に増補改訂されました。
タニガワナマズの掲載やカマツカも3種に分類されています。
多くの魚が見開きで丁寧に紹介されており感動しました。
個人的には今一番おすすめの淡水魚の本です。
東海大学出版部:淡水魚研究入門
さまざまな淡水魚を学生が研究したレポート集。
ここではズナガニゴイの産卵について詳しくレポートされています。
他にも様々な日本の淡水魚についての研究があるので楽しめます。
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