
古くから身近な淡水魚の1つであるドジョウ。
実はドジョウといっても日本には数多くの種類のドジョウが生息しています。
今回はその中から最もポピュラーなドジョウ(マドジョウ)の飼育方法について紹介します。
ドジョウとは

ドジョウは日本の在来種。体型は細長く5対10本のヒゲを持つ淡水魚。
体の模様は個体によって様々。
ドジョウと非常によく似た種で2017年に和名が提唱されたキタドジョウがいる。
キタドジョウは福井県、神奈川県以北の本州と北海道に分布し、ドジョウとの間では生殖隔離が成立している。
一部の離島にも固有種と思われるドジョウが確認されている。
ドジョウの生態

ドジョウは水田や池沼、河川の中・下流域に生息し、流れのない泥底や植物の豊富な止水域を好む。
水中の酸素が少なくなると水面に上がって空気を口から取り入れて腸で呼吸することができる。
さらには湿った土の中であれば皮膚呼吸で越冬することもできる。
分布域

日本の広い範囲に分布。
北海道のドジョウについては放流由来の集団の可能性が指摘されている。
※ソフトの都合上、一部を除いて都道府県ごとの色付けになっています。離島などの分布については詳細不明。
繁殖
繁殖期は5月〜8月。
水温の高い水田や一時的水域などに移動して、オスがメスに巻きつき産卵する。
水槽内での自然産卵は難しい。
雌雄判別(見分け方)

オスの胸鰭は大きく尖り気味で、メスの胸鰭は小さく丸みがある。
成熟したオスは背鰭付近がやや膨らむ。
最大全長
成魚で10cm〜15cm。最大で20cm程度まで成長する。
寿命
飼育下では10年以上生きることもある。
水田域などの野外では1年〜2年と考えられている。
食性
雑食性で泥や砂ごと吸い込みながら餌をとる。
ドジョウの入手方法

ドジョウは食用やペット用など様々な用途で販売されています。
ペットショップやホームセンターで入手可能です。
日本の淡水魚でもあるので川で自ら採取することもできます。
魚は放流しない
日本の淡水魚は途方ない時間をかけて育まれた地域ごとの遺伝子があります。
簡単に手に入るドジョウですが、国外の種はもちろん日本のドジョウであったとしても絶対に放流しないようにしましょう。
ガサガサでの採取

シマドジョウ・スジシマドジョウは河川の砂地や細かい礫などでよく採れますが、ドジョウは田んぼなどが近くにある川や水路の方が採取しやすいかもしれません。
採取する場合は、ドジョウ掬いのようにタモ網で砂ごと掬ったり、水際の植物をタモ網でガサガサして採取できます。
ドジョウの飼育環境について

まだ生き物を飼育している水槽が無い場合は、ドジョウを飼育する前に水槽を立ち上げておきましょう。
水槽の立ち上げは水槽にカルキを抜いた水を張り、砂利やレイアウトをセットして濾過(ろか)器をつけて1ヶ月ほど試運転しておけば飼育環境が整います。
水槽の大きさ

一般的なS~Mサイズの水槽で終生飼育可能です。
※たくさん飼育する場合はより大きな水槽を用意します。
飛び出し防止のために水槽にはフタを設置します。
フタの少しの隙間からでも飛び出すことがあるので、水位を高くし過ぎず、工夫してなるべく隙間が無くなるよう心がけましょう。
水槽セット
レイアウト

水槽に敷く砂利は何でも構いませんが、ドジョウが砂に潜ったり砂ごと吸い込んで摂餌する姿が見れる細かい砂はおすすめです。
あと隠れ家になるシェルターを用意するとドジョウが安心します。
流木や石などで隠れられるようレイアウトするのも良いでしょう。
ドジョウは砂を掘るので、水草を使いたい場合は流木などに活着するタイプがおすすめです。
ろ過フィルター・水質

フィルターは水槽セットについてるものや、簡単な投げ込みフィルターから飼育できます。
自分でフィルターを選ぶ場合は水槽の適合サイズを確認してください。
水質維持のためにカルキを抜いた水で週に1/3程度の水換えを行います。
水替えサイクルの中に魚の食欲が落ちたり、状態が悪くなる場合は水替えの頻度をあげたり、水槽を大きくして対応しましょう。
カルキ抜き
水温・ヒーターについて
ドジョウはヒーター無しで飼育することができます。
ドジョウは日本の淡水魚の中でも比較的に高水温にも強い種ですが、10℃~30℃までを目安に飼育します。
照明

アクアリウム用品でなくてもよいので、簡単な照明をつけておきましょう。
照明は無くても飼育できますが有ったほうが観察しやすく、昼夜のメリハリはあったほうが健全な飼育と言えます。
水草を入れている場合は、水草に合ったライトを使用します。
※直射日光は苔が発生しやすいのでやめておきましょう。
テトラ エコライト
照明の管理方法
照明時間の管理は自動で照明のON/OFFをしてくれるプログラムタイマーを使うと規則正しく照射できるのでとても便利です。
プログラムタイマー
ドジョウの飼育環境まとめ
- 水槽S~Mサイズで終生飼育可
- フィルターはなんでも良い
- ヒーター不要
- 照明はできれば設置
ドジョウの餌

ドジョウの餌は沈下性のものを選びます。
特にドジョウ用でもなくても構いません。
ドジョウはなんでもよく食べるので餌付けで困ることはありませんが、導入直後は餌を食べない事もあるので様子を見ながら餌が余らないよう給餌してください。
エサ
ドジョウの混泳について
ドジョウは温和なので混泳に向いています。
ドジョウにイタズラしない魚であれば、ドジョウ以外の魚とも混泳に向いています。
細かくなって落ちてしまった餌も食べてくれるので、タンクメイトにぴったりです。
混泳している魚の餌がドジョウにまで行き届くようであれば、ドジョウ用に餌を与えなくても大丈夫です。
おわりに

いかがだったでしょうか?
ドジョウは珍しい生き物ではありませんが、可愛さも飼い易さも日本の淡水魚屈指だと思います。
多くの地域で採取することができるので、川遊びで採取を狙ってみるのも楽しいひと時になるはずです。
気に入った方は是非水槽の一員に迎えてみてください。
それではよいアクアライフを。
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