
ダーターテトラのようなスタイルで泳ぎ回る姿がかわいいヒガイ。
タナゴのように繁殖に淡水二枚貝を利用するおもしろい魚です。
そんなチャーミングな日本の淡水魚の飼育を今回ご紹介します!
目次
カワヒガイとは

コイ目コイ科。
国内でヒガイと名のつく3種の中で、もっとも小型のヒガイ。
体側には黒い雲状斑が入る。
生態
河川の中流から下流域に生息し砂底や砂礫底を好む。
繁殖期は4~7月で、イシガイ、タガイ、ササノハガイ類などの淡水二枚貝に産卵する。
分布域

関西や九州北西部などに分布。
近縁種のアブラヒガイやビワヒガイが琵琶湖固有種に対して、カワヒガイはより広い範囲で自然分布している。
TIPS -近縁種の事情-

ビワヒガイは琵琶湖の固有亜種だが、移入種として関東の広い範囲でも定着している。
アブラヒガイはレッドリストで絶滅寸前の絶滅危惧IA類(CR)にカテゴリーされている。
最大全長
13cm程度。
寿命
雌雄ともに2年で成熟し、寿命は4年程度。
食性
雑食。
水生昆虫や付着藻類を食べる。
雌雄

オス:成熟したオスは婚姻色と追星が現れる。目に赤味が入る。
メス:背びれの黒斑はメスは成熟して消えない。
ヒガイの入手方法
ネットショップや店頭などで購入するか、採取にて入手します。
採取する

日本の淡水魚なので釣りやガサガサで採取する事も可能です。
タモ網で採取する場合は、草ムラをガサガサするよりも、石の下をひっくり返すほうが良くとれる印象です。
網を石の脇に当てて、網に追い込むように石をひっくり返します。
二枚貝に産卵するので、分布域でタナゴ、二枚貝が生息する川であれば採取できる可能性があります。
ヒガイの飼育方法
水槽
40cm程度の小型の水槽でも飼育可能です。
飛び出しやすいので水面を低くするか、フタをつけて飼育します。
レイアウト

アクアリウムや水深のあるアクアテラリウムで飼育することができます。
レイアウトや底砂であまり気にする事はありませんが、流木や石などで隠れ家をつくったレイアウトにします。
水草との相性
砂に潜ったり、食害はあまり心配ないので、水草と一緒に飼育するのもおすすめです。
水質
水質はうるさくありませんが、エアレーションをして、底面フィルターや外部フィルターなどの濾過器をつけて適度に水替えをして飼育します。
水温
無加温での飼育が可能です。
夏場は空冷ファンやエアコンで水温が上がりすぎないよう、28℃くらいまでを目安に対策します。
空冷ファン
エサ
人工飼料や冷凍赤虫などで飼育可能です。
慣れるのに少し時間がかかる場合があります。
赤虫は餌付き易いので、人工飼料になかなか餌付かない場合は赤虫で慣れさせます。
お気に入りの人工飼料
嫌なニオイがせず、どの魚もよく食付きます。
細かい粉が舞ったりもしないので水質にも良さそうなので気に入ってます。
混泳について
環境によっては他の魚の目玉やヒレを齧ることがあります。
いたずらしないか様子を見ながら混泳させてください。
目玉をとる行動について

我が家では1度だけ起きたことはありますが、同じ川でとったヒガイでも、友人宅では頻繁に起こっていました。
目玉やヒレを食べる行動は人工飼料だけで飼育していると、動物質からの栄養が不足するので起きるなどと言われています。
我が家では赤虫も毎回しっかり与えているので、そういった行動が起きにくいのかもしれません。
我が家でのエサやり
嗜好性の高い赤虫から与えると、人工飼料を食べなくなる個体もいるので、人工飼料を先に与え、食べきってから赤虫を投入するようにしています。
ヒガイの飼育まとめ
- 40cm程度の水槽で終生飼育可。
- レイアウトは水草も可。
- 水温、水質ともに管理は容易。
- 人工飼料可。赤虫も適量与えるとなお良い。
- 混泳は少し様子をみる。
混泳には少し注意が必要な魚ですが、あまり大きくならないので飼育しやすく、とてもかわいい姿の魚でおすすめです。
それではよいアクアライフを。
参考資料
日本の淡水魚(増補改訂版) : 山と溪谷社
2019年に増補改訂されたハンディ図鑑です。
タニガワナマズやスナゴカマツカ、ナガレカマツカなども掲載。
メガおすすめです。