こんにちは!流動ろ材にハマっている、となりのアクアリウムです^^
オーバーフロー水槽で流動ろ過をしたい。
それも、シンプルに水の流れを利用する方法で。
そんな事を考えて、流動ろ過専用のサンプを色々作ってみた結果、成功させるためのポイントがいくつかあったのでご紹介します!
流動ろ過とは?
流動ろ過とは、動く濾材の中を飼育水が通ることによって生物ろ過を行います。
常にろ材が動いているので、濾材効率が飛躍的にあがり、チャネル現象も起こらないので、少量でも高い性能を発揮します。
また常に動いているので、濾材に澱が溜まったりしないので、洗う必要がなくなりメンテナンス性も向上します。
ちなみに、ここではチャームのバイオビーズのようなタイプの流動濾材を前提として話を進めていきます。
チャームのバイオビーズ
水流を使った流動ろ過の仕組み
まず、今回の流動ろ過の主な仕組みは『ウールボックスからの落水の勢いを利用する方法 』になります。
専用の動力源から直接濾材を動かすのではなく、既存の水の流れを利用する流動ろ過方法です
実際に試してみた例を2つご紹介します。
流動ろ過の仕組み参考例1

ウールボックスからの落水を片側に寄せて落水させます。
そして勢いよく落ちた水がV字スリットにあたり、濾材を流動させる流れを作る仕組みです。
流動ろ過の仕組み参考例2

濾過槽の製作が少し複雑になりますが、こういった形で流動させると、濾材がよく回りました。
形はかわれど、落水する勢いを利用して流動させる仕組みは同じです。
今回ご紹介する注意点はどちらにも共通します。
流動濾過を成功させるポイント
言うまでもありませんが、流動ろ過は濾材が流動しなければ失敗です。
また動かない濾材が多いと、せっかくの流動ろ材が勿体無いので、なるべく全て動かしたいという事もポイントです。
それでは水流を利用した濾過槽で、なるべく多くの濾材を流動するためのポイントをご紹介します!
1.ポンプの流量は多い方がよい
水流を利用した濾過槽ではポンプの流量が多いほうが、ろ材を流動させやすくなります。
ポンプの流量が少ないと濾材を動かす事が難しくなります。
濾過槽に対して、大きめのポンプをつける必要があります。
しかし、大き目のポンプをつけても、水槽への流量調節をすると、意味がないので、そのような場合バイパスを設けておきます。
バイパスを作る

ウールボックスへ水を戻すバイパスを用意します。
こういったバイパスを作っておくと、濾過槽内の流量を確保しつつ、水槽の流量を自由に調節できます。
※バイパス側にも調節バルブ等をつけてください。
大き目のポンプってどのくらい?
個人的な経験則ですが、金魚水槽Sサイズを濾過槽に使用した場合でもエーハイムのコンパクトオン1000(400~1000L/h)を使ってちょうど良いくらいです。
濾過槽のサイズを考えると、過剰な流量に感じますが、より安定して濾材が回ります。
2.濾過槽の幅は狭い方が良い
水流の強さと関係するのが水路の幅です。
ここではウールボックスの幅ということになります。
ポンプの流量を多くしても、幅が広いと水流が弱くなるので、幅の狭い水槽の方が流動させやすいです。
ポンプの流量にもよりますが、濾過槽はあまり幅広にしないほうが簡単です。
3.水の落差
ウールボックスからの排水に落差が必要です。
水流があっても落差がないと濾材の回り方が悪くなりますし、最悪流動しません。
仮に落水差0を想像すると、水の方向性がすぐ分散してしまい、流動しないイメージが湧くと思います。
なにも考えず作っても大抵落差は出るのですが、 ウールボックスを落とし込んだ作りにして、仕切りを高くしてしまうと、現実的に起こりうるので設計する時には気に留めておきたいポイントです。
4.落水する水の偏り
落水に偏りがあると、流動ろ材が勢いの少ない方に偏って留まる事があります。
ウールボックスから万遍なく水が落ちるように、傾きが無いように製作します。
しかし、ウールボックスに傾きが無くても落水が偏る場合もあります。
排水管の位置や、各排水(バイパスなど)の流量のバランスが整わないのが主な理由です。
その場合の解決策としてウールボックスの排水に工夫をします。
排水までの距離を稼ぐ

ウールボックスから落下までの道を1段増やし、距離を稼ぎます。
落水までの距離が伸びたことにより、水がある程度均一に落水するようになります。
幅広の濾過槽だと、整流させるためには、より長い距離を稼いだほうが良さそうです。
5.水位を安定させる。

流動ろ材のある濾過槽の水位を安定させたほうが良いです。
上図のように仕切りがない場合、濾過槽内の水位が不安定になります。
注意:仕切りをつけた場合、ポンプのある槽のスペースの容量が少ないと、水位の下げ幅がおおきくなるので、夏場の蒸発など見込んで余裕のある設計をしましょう。
水位を安定させた方がよい理由
仕切りをつけて、その水位でしっかり回るようにセッティングすれば、いつでもよく流動してくれます。
しかし、水位が変動する場合は、良く回る水位があったり、回らない水位があったりと、流動の仕方にバラつきが出やすくなります。
あと水位が下がって、濾材が乾くようなことがあると、濾材が性能を失い、沈まずに浮くようになる事あります。
6.スリットについて
実際に自作するとなると、スリットの間隔や深さをどの程度いれれば良いか疑問になると思います。
これについては確証がないので、私の経験談をご紹介します。
V字底の場合

私の場合、V字底の濾過槽であれば、Vの両面に1cm間隔でなるべく長くスリットを入れています。
金魚水槽Sサイズ以下では大体これでうまくいっています。
ただ、大きくなった場合は状況が変わるかもしれません。
八角形底の場合

スリットは多めよりかは少な目のほうが良いかもしれません。
もちろん、流量に対して排水が少なすぎると溢れてしまうので困りますが、排水が多すぎると、濾過槽内の濾材を回転させる水流が弱まる可能性があります。
ただ、このあたりはどちらの方法にも言えることですが、使用するポンプの流量との関係もあるので、一概には言えなさそうです。
しかし、ほとんどの場合はスリットの入れ方で、そこまで大きな問題になることはないので、極端にならないようにスリットをいれてみてください。

7.流動ろ材以外の生物ろ過は使わない
流動ろ過のポイントではないのですが、生物ろ過のための濾材は流動ろ材以外使わないほうが個人的にはよかったです。
なぜなら、せっかくメンテナンスフリーの流動ろ材なのに、場所があるからと言って、普通の濾材をいれると、そのろ材を洗う手間が増えてしまうからです。
流動ろ材だけで生物ろ過は十分間に合うので、場所が空いてても、何もいれないほうが流動ろ過の恩恵を受けれます。
流動ろ過の注意点まとめ
1.ポンプの流量は多めが良い!
2.濾過槽の幅は狭い方が水流アップ!
3.水の落差がないとまずいので注意!
4.落水する水の偏りに注意!
5.流動させる濾過槽は下限水位を決められる場所がいい。
6.流動ろ過のスリットは適当な数で多分大丈夫。
7.流動ろ材以外の生物ろ過を使わない。
終わりに
あまり情報が無いので個人的な経験談と感覚による意見ばかりですが、これから作る人の少しでも参考になればと思います。
色々ご紹介しましたが、図らずともクリアされる項目も多いので、気にせずに作っても案外流動するとも思います。
以上、オーバーフロー濾過槽内で流動ろ過をする時の個人的ポイントでした。
※また気付いた点があれば、追加していきたいと思います。
それではよいDIYライフを。
流動ろ過の設計を検証をしたときの様子です⇒流動ろ過をオーバーフロー水槽で設計!濾過槽の自作実験と検証!
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