JIROです!
今回は『水槽のフタ自作』などに使えるアルミアングルでフレーム(枠)を作る時のポイントを紹介します。
アルミアングルでフレームが作れるようになると、あとは『レール』や『ネット』を取り付けて様々なタイプのフタに派生させることが出来ます。
それではさっそく参りましょう。
フレームの作り方
まずはフレームの作り方の概要についてです。
今回紹介するフレームは水槽サイズに合わせたアルミアングルを『ネジで接合』して作っていきます。
作りとしては簡単ですが、設計時にちょっとしたポイントがあるので先に紹介します。
アルミアングルの重ね方
まずアルミアングルの重ね方は写真のように『2通り』あります。
それはアルミアングルの断面が水槽の『正面から見える』か『側面から見える』のか、という違いです。
どちらの見え方にするかで切り出す寸法が微妙に変わってくるので、
ここではアルミアングルの断面が正面から見えないようにするパターンで解説していきます。
フレームの設計方法
それではまずアルミアングルをカットする長さの『計算方法』についてです。
ここで気をつける点は緑色で示した部分である、水槽の『フロント側』と『リア側』になるアルミアングルの長さは水槽より少し長めに計算しておくことです。
フロント側とリア側の長さについて
フロント・リア側を少し長めにカットする理由は両サイドのアルミアングルの厚みを考慮するためです。
つまりフロント側とリア側のカットする長さは『水槽の幅+(使用するアルミアングルの厚み×2本分)+0.5mm~1mm』程度で計算すれば大丈夫です。
0.5~1mm程度余裕を持たせるのはカット作業や組み上げ工程などで『誤差』が出た場合に吸収するための『遊び』です。
ただ余裕は持たせすぎてもガタつきが大きくなる問題*もあるので、遊びは『1mm程度の範囲』で抑えておくのがオススメです。
※ガタつきが大きくなってしまった場合はアングルの内側にマスキングテープなどをはってガタつきを押さえることもできます。
サイド側の長さについて
そして橙色で示した両サイドの『アルミアングルの長さ』については、水槽の奥行き+0.5mm程度で計算しておけば大丈夫です。
今回の設計だと、『奥行き側』は構造的に組み立て工程で短くなる心配もないので、余裕が少しでもあればほとんど問題ありません。
ただ、つまりアルミアングルの切り出しで決して『短くならない』ようには気をつけます。
水槽の幅は実際に測る
あと意外と重要なのが、カット寸法を算出する前に実際の水槽の大きさを測っておくことです。
水槽はついつい買った時に表示されているサイズで作られていると思いがちですが、実際に測ると『水槽の幅・奥行き』は1ミリくらいの誤差があることもあります。
なので、しっかり『実際のサイズ』を測ってから、それに合わせてカット寸法を計算していった方が安全です。
アルミアングルのカット
そしてカット寸法がわかったら次はアルミアングルのカット作業です。
アルミアングルのカットは卓上丸ノコが『安全』かつ『正確』にカットできるのでオススメです。
カットする時は丸ノコのチップにメジャーを当てて確認しながら寸法を出すと正確に切り出せます。
※より詳しいカット方法の説明はこちらで紹介しています⇒アルミアングルのカット加工
卓上丸のこ
ネジ位置の設計
カットの次はネジ穴の位置を決めます。
ネジ穴はアルミの接合部分1カ所に対して『2つ』作ります。
TIPS:1カ所に対してネジを1つだけで止めるとアルミアングルがグラグラします
ネジの位置と水槽の関係
『ネジ穴の位置決め』で考えておく点は、ネジをつけた後に水槽のフチにネジが当たることです。
ここでは『水槽のフチ』にネジが当たらないように作っています。
その逆にネジが水槽に当たるように作る場合は水槽へのネジの当たり方がフレームの左右で同じになるような位置にしておきます。
左右でネジの当たり方が違いすぎると、フタを載せた時に『ガタガタ』になってしまいます。
ネジ同士の位置
あとはネジ穴同士の距離にも気をつけます。
2つのネジ穴の位置が近すぎると、ネジをつけた時に『ネジ頭』や『ナット』がぶつかることがあるので注意しておきます。
またドリルであけるネジ穴の大きさ*については『使用するネジと同じ』で大丈夫です。
※私の場合は3mmのネジを使います。
穴あけガイドを作る
そしてネジ穴のあけ作業の時にはこんな感じで穴あけ用のガイドを1つ作っておくと便利です。
ガイドはカットしたアルミアングルの端材で作製できます。
ガイドの長さは短くても構わないので『両端に穴』をあければガイドになります。
もちろんガイドを使わずにネジの位置を毎回を測って穴あけをしても良いのですが、少し遠回りでもガイドを作った方が正確に早く作業できます。
ガイド製作の注意点
ただし、ガイドを作る際には注意点が1つあります。
それはガイドを使って穴をあけると、穴の位置はガイドより『アルミの厚み』の分だけズレて穴があきます。
つまりガイドを作る時は、『アルミアングルの厚み』の分だけ穴がズレることを考慮しておきます。
※アルミアングルに穴をあける詳しい方法はこちら⇒アルミの穴あけ加工
Tips:あとガイドの被せ方で内側にズレるか外側にズレるかは変化します。例えば図の赤いガイド部分を下にして、下から穴をあけるような場合は内側にズレるようになります。よくわからない場合は、内側でも外側でも多少ずれてもよい位置にガイドの穴は設計すれば大丈夫です。
アルミアングルの組み立て
そしたらガイドを使いながらアルミアングルに穴あけ作業をしていきます。
フロント側とリア側の穴あけ
まずは『フロント側』と『リア側』のアルミアングルに穴を開けます。
『アルミアングル』と『ガイド』は端で揃えつつて、クランプなども使いしっかり動かないようにして左右に穴をあけていきます。
奥行き側に穴をあける
そしたら次はサイド側のアルミアングルに穴をあけます。
サイド側の穴をあけでは先ほどあけた『フロント側やリア側のアルミアングル』をそれぞれ実際につなげるアングル同士を重ねて穴をあけていきます。
つまり実際のフレームの形にしながら、フロント側やリア側のアルミアングルを重ねて穴あけをしていきます。
クランプ
ネジで止める
アルミアングルの各所に穴をあけたら、あとはネジ止めしていきます。
使用環境にもよりますが、ネジは『ステンレス製』や『プラスチック製』などサビにくいものがおすすめです。
ここでは3mmのステンレス製のネジを使用しています。
完成したフレーム
という感じで、これで基本のフレームが完成しました
あとは水槽に載せてみて問題なければネットなどをつけていきます。
アルミアングルは接着材もつかえる
ここではフレームをネジ止めして組みましたが、接着剤でも可能です。
接着剤で組むと基本的にバラせなくなりますが、製作は『手軽』になります。
ただネットをネジ止めする場合はなどはいずれにせよ『穴あけ作業』は必要になります。
強力接着材
フレームを作った後
フレームを作ったあとはネットなどを取り付けてフタを完成させます。
こんな感じでネットをつける場合は『フレームのネジ』を利用して取り付けたり、あとは必要に応じてネットに合わせて穴をあけてネジ止め箇所を増やします。
※ネットの目は3mm角のものを使用しています。
ネット
スライド式にする
他にもアルミアングルにEレールを接着して取り付けるとスライド仕様のフタも作れます。
スライド部分には『ガラス板』や『塩ビ板』、あるいは『金網フタ』を自作して入れることで様々な仕様にすることが出来ます。
Eレール
使用するアルミアングルについて
今回のフレーム作りで使用するアルミアングルについてはアルミの面が広いものの方が作りやすくなります。
12mm×12mmなどの細いアングルの場合は、『ネジ穴の位置が難しく』なるので、接着して組んだ方がよいでしょう。
また不等辺アングルを使えば、『ネジ穴を作る面は広く』して『水槽に掛かる面は少なく』することもできます。
終わりに
以上、水槽用のフタで使えるアルミフレームの作り方についてでした。
フレームを使ったフタが作れると『バリエーション』が広がると思うので、気になった方は是非一度作ってみてください。
もちろんDIYなので、この作り方が正解というわけではないので参考程度に見ていただければと思います。
それではよいDIYライフを。
↓フタのDIYまとめ記事はこちら↓
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